生き物は自己の生存が最も重要であり、その為に利益だと思われるものを取得し(有益取得欲求)、
利益を自身が消費するまで失われないようにしたいと感じます。(危険回避欲求)
①有益取得欲求 : 自身の利益になるものを見つけた場合に自身で消費したいと感じる
②危険回避欲求 : 自身が取得する予定の利益の減少や喪失を回避したいと感じる
自分にとって利益になるものを見つけた場合は有益取得欲求が発生して利益を取得する方法を思考し取得する為の行動を行おうとし、
取得する予定の利益が減少することや喪失することを回避(阻止)する為に危険回避欲求が発生して利益の減少や喪失を回避する方法を思考し回避する為の行動を行おうとします。
取得する予定の利益が減少・喪失することを回避(阻止)するために利益及び利益の発生源を確保したいと感じる感情を便宜上「確保的欲求」と言い、これによって生まれる思考を「確保的思考」、この思考から発生する行動を「確保的行動」と呼びます。
取得予定の利益が減少することや喪失することを回避したい ⇒ 確保的欲求・確保的思考・確保的行動
たとえば、動物は食料(利益)を見つけたら他の動物にとられないように急いで手に入れようとします。
手に入れた食料は他の動物にとられないように気を付け、とられそうになったら抵抗します。
食べきれない食料はどこかに隠そうとしたり自分の物であるとアピールしたりします。
動物は主に保護者、食料、生殖対象者、安全な場所を確保しようとします。
(なわばりも食料、生殖対象者、安全な場所などを確保する為の行動)
人間の例で言えば、子供の頃は親を兄弟にとられないように確保しようとしたり、
自分の料理を人にとられないようにしたり、お店や電車で自分の席を確保したいと感じたり、好きになった異性と付き合いたいと感じたりします。
女性は男性と付き合うと自分のものアピールをしようとしますが、これも確保的行動にあたります。
「番号交換したい」「付き合いたい」「束縛したい」「結婚したい」なども全て確保的欲求になります。
確保的行動の一例
子供の保護者(親)に対する確保的行動:泣くことで親に注目させようとする、親に近付こうとする、いたずらをして注目させようとする、親が他の子供の相手をするとその子供を攻撃する(排除による確保)
子供のおもちゃに対する確保的行動:気に入ったおもちゃを確保しようとする、誰かにとられると奪い返そうとする、誰かにとられるとその人を攻撃しようとする、とられると泣き喚く
人の物に対する確保的行動:数が少ない物は先に手に入れておこうとする、貴重と感じた物は複数手に入れようとする、タイムセールなどでは他人にとられないように売り場に急ぐ、商品の数が少ないと隠そうとする
人の友達に対する確保的行動:遊びに誘おうとする、一番近いポジションを確保しようとする、一番親密な関係になろうとする
女性の男性に対する確保的行動:人前で手を繋ぐ、人前でベタベタする、男の家に私物を残す、男の家で香水を振る、付き合った男とのツーショット写真をSNSにアップするなど
※これらは「確保の必要性」を感じた場合の行動であり、確保しなくてもいいと感じる場合は上記例を行うことはありません
確保的思考のパターン
確保的思考の対象は自己の利益になるもののうち特定の行動によって利益の減少や喪失を回避できるものになりますが、対象は目的によって異なります。
男女共通の確保的思考
食べ物、道具、安全な場所など、人間が生きる上で重要なものは共通する対象(欲求)になります。
たとえば、自分の前に出てきた料理をとられると嫌な気持ちになり、お気に入りの服は汚れないようにカバーをかけたくなり、自分の部屋が欲しいと思うようになります。
なお、経験によって有益的条件となったものにも欲求は働きます。
たとえば、楽しそうなおもちゃは独り占めしたくなり、好きな漫画は複数冊買っておきたくなり、電車の席が空いていたら他人にとられないように急ごうとし、好きになった人とは付き合いたいと思うようになります。
男性特有の確保的思考
男性には自分の子孫を残す為に良い女性を確保したいという欲求があります。
性交前:生殖的な魅力があり妊娠していないなら確保する必要がある、生殖的な魅力が無かったりすでに妊娠しているなら確保する必要がない
性交後:まだ妊娠していないなら確保する必要がある、妊娠したら確保する必要がない
このため、妊娠しているように見える=太っている女性には興味を示しにくく、また、女性が太ったり妊娠したりすると浮気しやすくなります。
女性特有の確保的思考
女性には自分の子孫を残すために良い男性を確保したいという欲求と、自分と子孫が生き延びる助けになる男性を確保したいという欲求があります。
性交前:生殖的な魅力があってまだ生殖できていないなら確保する必要がある、生殖的な魅力が無かったり簡単に生殖できるなら確保する必要がない
性交後:子供を巣立ちまで育てる為に労働力として確保する必要がある、女性や子供を守り養う意思や能力が無ければ確保する必要がない
このため、性交しようとしてくる男性には惹かれにくく、性交後に大切にしてくれなければ別れようとします。