条件
条件とは、特定の情報に関連付けされた情報や感情の組み合わせを指します。
特定の情報を参照することでその情報に関連付けられている感情が起こります。
入手した情報が条件の情報に近いほど感情が正しく発動される=強くなります。
本能的条件
特定の情報(感覚パターン)に対してあらかじめ用意(関連付け)されている特定の感情の組み合わせです。
本能的条件: 感覚情報 × 感情情報 |
たとえば、イトヨのオスには自分のなわばり内で身体の下半分が赤い対象を確認した際にその対象を「なわばり内から追い出さなければ危険」という感情が発生する条件が遺伝的に備わっています。
条件:魚に似たような形+下半分が赤い × 感情:なわばりから追い出す必要がある(不快) |
たとえば、人間には空腹時に「お腹が空いた」という感情が発生する条件が遺伝的に備わっています。
条件:遊離脂肪酸の上昇 × 感情:空腹(不快) |
経験的条件
新しく取得した情報に別の情報や感情が関連付けられることで新しい条件が作られる
新しい情報 × 感情 = 新しい条件(経験的条件) ※正確には【既存の情報 × 新しい情報 × 感情 = 新しい条件】になる |
たとえば、炭酸のような刺激には不快が関連付けられているが、
甘い炭酸飲料を飲むことで炭酸の刺激に慣れたり甘さによって快感になった場合は炭酸と快感が関連付けされて炭酸を好むようになる
新しい情報:炭酸 × 感情:快感 = 新しい条件:炭酸飲料を見ることで快感を予測する(有益的条件) ※正確には【炭酸×{甘味×快感}】であり、炭酸を見れば間接的に関連付けられている快感を予測するが、快感が発生するのはあくまで甘味になるため、甘味の無い炭酸は好まない(美味しいと感じない)ことが多い |
他の例として、生まれた時には車の情報は持っておらず、感情も関連付けられていない為、最初は車を見ても何も感じないが、
子供の頃に車のおもちゃで遊んだり、車で楽しい場所にお出かけしたりして快感になった場合は車と快感が関連付けされて車を好むようになる
新しい情報:車 × 感情:快感 = 新しい条件:車を見ることで快感を予測する(有益的条件) |
たとえば、甘さには快感が関連付けられているが、
ケーキを食べ過ぎることで(糖分過多によってインシュリンが過剰分泌されることで起こる不快感)不快な気持ちになった場合はケーキと不快感が関連付けされてケーキを嫌うようになる
新しい情報:ケーキ × 感情:不快 = 新しい条件:ケーキを見ることで不快を予測する(危険的条件) |
他の例として、生まれた時には虫の情報は持っておらず、感情も関連付けられていない為、最初は虫を見ても何も感じないが、
周りの人間が虫を嫌いだったり、虫を汚い物だと認識したり、虫のせいで嫌な思いをしたことがある場合は虫と不快感が関連付けされて虫を嫌うようになる
新しい情報:虫 × 感情:不快 = 新しい条件:虫を見ることで不快を予測する(危険的条件) |
生殖的条件
生物はより良い子孫を残すという目的があり、その為に相手の子孫を残す上での有効性=異性としての魅力を見分ける本能が備わりました。
つまり、異性の魅力に反応する条件があり、これを生殖的条件と言います。
たとえば、男は女性の唇の赤さ、胸の大きさや形、お腹のくびれ、お尻の大きさや形に惹かれますが、
これは女性の健康状態や栄養貯蔵度、妊娠の有無、妊娠の能力などを示唆するからになります。
同様に、女性側にも男性に惹かれる要因が存在します。
オスの魅力について
動物の雄雌にはそれぞれに与えられた役割があり、それを全うしやすくなる為の特徴を備えています。
これを性差と言います。
性に与えられた役割になる為、その役割をよく果たせる個体ほど異性にとって魅力的に映ると考えられます。
性別的な魅力 = 性差的な要因 |
わかりやすく言えば、男性は女性の女性的な特徴に惹かれ、女性は男性の男性的な特徴に惹かれるということです。
・雄の性差的魅力の一例:ライオンにおけるたてがみ
ライオンの雌はふさふさで色が濃く黒いたてがみを持つ雄ライオンほど惹かれやすくなりますが、
これは、健康状態が良いほどたてがみがふさふさになり、テストステロン値が高い個体ほどたてがみが黒くなる傾向にあるからです。
重要な補足として、テストステロン値は遺伝的な要因よりもそれまでの経験(つまり環境)によるところが大きいです。
わかりやすく言えば、自信がつく経験を多くしているほどテストステロン値も高くなる傾向にあります。
これは人間も含めてすべての動物が当てはまります。
・人間の男性の性差的魅力の一例
- 身体の大きさ、身長
- 筋肉、力強さ、エネルギー
- 体力、タフネス、汚れや病気への耐性